ブルガリアの黒海が過去60年間で初めての「凍結」という事態に

2017年1月13日のロシアの報道より

 ヨーロッパ各地に停滞し続けている極端な寒波は、いまだ続いていますが、現在の寒さの極端さを物語る事象として、「黒海が 63年ぶりに凍結した」という報道がされていました。
 黒海は、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナ、ロシア、グルジア、トルコと接する内海です。冒頭の「凍結した海」が撮影されたのは、ブルガリアのブルガスというビーチリゾートでした。
黒海とブルガスの場所

 この黒海という内海は、基本的には冬でも凍結しない海ですが、今年の強い寒波で凍結し始めたそうです。最後の凍結は 1954年とのことですので、63年ぶりになります。
ブルガスに面した黒海

 ヨーロッパのバルカン諸国はどこも大変な寒さとなっており、-30℃近くを記録した場所もいくつかありますが、ブルガリアのこの地域でも -11℃まで気温が下がった場所もああったそうです。ここまで気温が下がれば、凍結することはは驚くに値しないとロシアのメディアは述べています。記録が残っている中では、20世紀以降、黒海が凍結したのは「3回」となっています。
 ちなみに、ブルガリアの北で黒海と面しているルーマニアですが、そのルーマニア側の黒海でも、やや異常な現象が見られていました。それは、「大気の気温が低すぎるため、黒海の水が大量に水蒸気となって蒸発している」という現象です。
蒸発するルーマニア側の黒海 2017年1月9日

 バルカン諸国では、モンテネグロでも雪が降って「ヤシの木に雪が積もる」など、通常とは違う光景が各所で見られています。
モンテネグロ 2017年1月11日

 ロシアもヨーロッパも、現在は寒さが少しやわらいできているようですが、まだ冬は初期の段階で、今後の状況はわかりません。
 それにしても、この寒さで黒海が凍結したということは、17世紀のマウンダー極小期など、太陽活動の低い時期に数十年の期間で発生した何度かの寒冷期には、黒海も冬はずっと凍っていたのかもしれないですね。
(くまチューブ)









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