世界的異常気象

中東クウェートで気温54℃観測し、過去100年の地球の最高気温を記録。あるいは、これが世界最高気温の可能性も

2016年7月21日のクウェートの気温
50℃を越えたクウェートの温度計

 中東のクウェートで、7月21日、日中の気温が軒並み観測史上最高を記録し、ミトリーバ(Mitribah)という街では、最高気温が「 54℃ 」に達し、同国としては観測史上最高の気温を記録すると共に、過去100年ほどの単位では地球上で最も気温が高くなったということになります。
 地球での高温の最高記録の可能性もこれまでの観測史上での最も高い気温は、今から 100年前の1913年7月10日に、アメリカ・カリフォルニア州にあるデスバレーで記録された 56.7 ℃ということになっています。
ただ、このデスバレーの記録には懐疑的な気象学者が多く、というのも、その 1913年7月10日は、アメリカのデスバレー周辺で、そのような高い気温が記録されていないのです。そのため、デスバレーだけが唐突にそのような気温になることは奇妙で、計測器に問題があったのではと考える人たちが多いです。その場合は、今回のクウェートの 54℃ が地球上で記録された最高気温になる可能性もあります。
 いずれにしても、今回観測された 54℃ というのは、人の住む地域で記録される気温としては、とてつもないものではあり、このまま上昇を続けますと、「人が住むのに適さない」という局面も出てくる可能性もあります。
 この日のクウェートでは、非常に広範囲で 50℃を越えていたようで、人間が住むにはギリギリの環境状態といえなくもない場所が広がっているようです。
MarkVoganWeather
 その一方で、南アフリカやアルゼンチンでは、例年にない寒波と大雪で道路などが麻痺しており、ブラジルでも異例の寒波が継続(報道)、ペルーでは寒さによる非常事態が継続(報道)しています
雪に覆われた2016年7月21日のアルゼンチンのガンガン地域

(くまチューブ)

NASAが発表した世界の平均気温の推移

 NASAのゴダード宇宙科学研究所は、7月19日、2016年の 1月から 7月までの世界の地表と海水表面の平均気温が、観測史上で過去最高を更新したと発表しました。
 上が NASA が発表したグラフですが、2011年頃から上昇し始めた平均気温は、2015年から今年にかけて、ものすごい急激な上昇カーブを描いています。
 地域別に見てみましても、今年の7月までは、地球全体として平年より気温が高い傾向にあったことがわかります。
 平均気温の差異の地域ごとの差としては、下の分布図に示されています。
濃い赤になればなるほど、平年より気温が高く、オレンジや黄色は、平年よりやや高い場所で、青い場所は平年より気温が低い場所です。
 2016年1月-7月の世界の平年との気温の差異
(くまチューブ)